観光名所
白浜・田辺
和歌山県が生んだ博物学の巨星・南方熊楠。彼は植物学、菌類学者だけでなく、民俗学の創始者としても名を馳せました。そんな熊楠の業績を讃え、広く熊楠を知らしめるために平成18年5月14日に田辺市にオープンしたのが『南方熊楠顕彰館』です。主に熊楠邸の書庫にあった膨大な書物や日記、資料、論文などを移し収蔵。その数、約25,000点にも及びます。なかには熊楠による原稿や家族写真、そしてノート52冊に抜書きした「ロンドン抜書」なども収られています。これらを恒久的に保存し、閲覧できるように同館ではデーターベース化を進行中。1階には玄関ホール、展示スペース、学習室、収蔵庫があり、展示パネルやタッチパネル、案内などで熊楠の生涯や業績、田辺や熊野との関わりをたっぷりと紹介。2階には交流・閲覧室、研究作業室があり、パソコンでの所蔵資料の検索などができます。また同館では熊楠と縁のあるシンポジウムや特別講座などを開催。展示会等一部の場合を覗き、入館無料なので気軽に熊楠が残した足跡を辿ってみてはいかが。
熊楠は1916年(大正5年)から75歳で亡くなる1941年(昭和16年)までの25年間をこの家で過しました。400坪の敷地面積には母屋、土蔵、書斎があり、書斎は以前住んでいた借家から移築。その書斎に置かれている愛用の机は、顕微鏡を覗く時に便利なように手前の足2本を短く切り傾斜を付けるなど研究に打ち込むための熊楠ならではの工夫が垣間見れます。この事からも分かるように、この家は単なる住居ではなく研究と執筆を行う場でもありました。また大きな庭には、ミナカタの名を配した新種の粘菌「ミナカテラ・ロンギフィラ」を発見したカキの木を含めクス、センダンなどがあり、彼が毎日ミカンの汁を飲んでいたというエピソードでお馴染みの安藤ミカンも植えられています。残された全ての物から、一心不乱に研究に勤しんだ熊楠の姿を思い描くことができる貴重なスポットです。
資料収蔵庫と交流閲覧コーナー
研究室の顕微鏡
キャラメルボックス
【阪和自動車道南紀田辺ICより約5分】 【JRきのくに線紀伊田辺駅より徒歩約15分】